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自分の声や音が耳に響く!聴覚過敏を和らげる方法とは?

耳が塞がった感じの解消法とは

聴覚過敏とは?

聴覚過敏という名前だと、「病気」じゃないんだ「疾患」じゃないんだと思われるむきもあるかも知れませんが、当人にとってはこれほどツラいものはありません。なぜなら日常的に、ありふれた音が耐えられない音として耳に突き刺さってくるからです。しかも、音を避けて生活をすることはできようはずもありません。

一言でいうと、聴覚過敏とは一般的にはなんということもない音が強烈な音として認識される状態です。

たとえば食器洗いでお皿とお皿があたるときの甲高い音。

わあああんという子どもたちの騒々しい声、コンクリートをたたくヒールのカツカツカツという響き。バタン!というドアが勢いよく閉る音。

そういう音が耳に突き刺さるように聞こえると言います。
人によってはすべての音が耐えられない、不快だ、というケースも存在します。

聴覚過敏と言われる人たちにとっては、通常であればなんということはないありふれた音、聴こえていても意識すらしないような音が耐えがたい音として襲いかかっているのです。


目次

1. 聴覚過敏の主な症状

2. 考えられる原因

3. 聴覚過敏の治療

4. 聴覚過敏の対策と予防

5. 子どもの聴覚過敏

6. まとめ


1. 聴覚過敏の主な症状

耳に水が入った感じ
一般には聴覚過敏と言いますが、病気ではなく状態を表します。病院に行くと「聴覚過敏症」と言われることもあります。ここでは聴覚過敏という言い方で統一します。

表現はややこしいのですが、音は聞こえているわけです。
聞こえているのですがその音が通常よりもかなり大きく聞こえてしまう状態です。しかも、不快なレベルで。

結果として音を聞きづらい、という現実が出現します。

特に「耳に音が刺さる」という感覚は、つまり音が脳に刺さる、ことと意味はほとんど同じだと思います。聴覚過敏に襲われたときは頭を押さえてうずくまってしまう、という人がいるのも納得できます。

先ほども書いたように「音が刺さる」と感じるケース以外には「音が歪む」「音が気になって気になって仕方がない」という場合も聴覚過敏に含まれるでしょう。

普通の音が大きく聞こえる聴覚過敏とは別に特定の音に嫌悪感を催して耐え難い思いをする「音嫌悪症」というものもあります。

聴こえないのではなく、聴こえていることが苦痛で仕方がない、というのが聴覚過敏と言ってもいいでしょう。


2. 考えられる原因

ストレス
聴覚過敏の原因とはなにが考えられるでしょうか。原因はまだはっきりとは確定されていないとされています。考えられているものとしては、

耳の機能に関係するもの。

脳の状態に関係するもの。

メンタルに関係するもの。

にわけることができるかと思います。

耳の機能に関係するものとしては、たとえばこういうことが推測できます。

極端に大きな音が入ってきたときに、脳にダメージを与えないために大きな音をそのまま伝えないよう調整する機能が耳にはあります。この機能がうまく働かなくなっているのではないか。そのために、大きな音がそのまま脳に届いているのではないか、というものです。

あるいは、内耳にある有毛細胞は音程などを調整して脳に伝える役割があります。この機能が不具合を起こすことによってより高く響いたりするどい音に変化して脳に音が届けられているのではないか、という説もあるようです。

音は「耳で聴くもの」。そういうイメージがありますがそれがどんな音である、どういう高さの音である、この音は特に注意を払わなくていい、この音は危険にかかわる重要な音である、といった判断をしているのは脳の働きです。

どの音に注意を払うか、どの音は無視するか、そういった働きがうまく機能していないのではないか。

また発達障害のお子様やうつの人のなかには聴覚過敏を訴える人がおられます。これはある感覚が特化して鋭くなっているから、という解釈ができます。機能していないのではなく脳のなかで音を聴く感度があがりすぎ、音が異常に強く感じられるようになったのではないか。

この二つが脳から読み解く聴覚過敏ということになりますでしょうか。

メンタルに関係するものとしては、そもそもの発症が不安とリンクしていたものなどが考えられます。

たとえば、緊張が高まったときに音がつんざくように聞こえ、耳を塞ぎたくなってしまうようなケースです。

発達障害のお子様で聴覚が過敏になっていた子供のケースでは、不安が強いときには聴覚過敏が出現し、リラックスしているときは大きな音のなかでも平気だった、という報告が親御さんからされていました。大人の場合ですと、ストレスからくる自律神経の乱れでも発症すると言われています。


3. 聴覚過敏の治療


耳に関係した病気から引き起こされる聴覚過敏もあるとされています。

メニエールや顔面麻痺、突発性難聴などがその例です。その場合はまずは病気そのものを治療する方向になるでしょう。

また、検査の結果、内耳に異常があるということがわかれば、まずはその治療を行うことになります。

しかし、それらの病気がおさまっても必ずしも聴覚過敏が消失するわけでもないようです。

心療内科でセロトニンを処方された、という方もいらっしゃいます。聴覚過敏で毎日がイライラする、落ち着いて過ごせない、明日もそうかと思うと不安で眠れない、そういったことから耳鼻咽喉科であっても抗うつ剤を出される場合もあります。

治療とは別に、日常をすごすためとして耳栓を薦められることもあります。

耳栓に関しては賛否両論あるところです。

「辛いのだから一時的にでも音を回避させてあげるほうがいい」という意見もあれば「耳栓をすることで外したときにより音に対する感度があがってしまう」という意見もあります。いずれにしても、しのぐためのものであり治療とは別物と考えなければなりません。

西洋医学的な治療とは別に音響療法と呼ばれる選択肢もあります。

有名なところではTRT療法があります。
耳鳴りの人にあえて音を聞かせることで音に対する脳の認識を変えていく手法です。

これが聴覚過敏にも効果がある、という結果も散見されるようです。


4. 聴覚過敏の対策と予防

聴覚過敏の考えられる予防法をこれから書いていきたいと思います。

個人的には、予防法はイコール聴覚過敏の軽減法でもあると思っています。

そもそも、中耳や内耳の異常が問題なのであれば予防することすらかないません。

その前に考えていきたいのは、耳鳴りであれ、メニエールであれ、聴覚過敏であれ、それぞれに別の病気であるという発想がふさわしいのかどうかということなんです。別々の病気であれば、別々の原因があり別々の対処法がある、ということになります。

しかし、同じ「耳」にまつわるトラブルでそんなに細かく原因や治療がわかれるとも思えません(実際、投薬においては同じような薬が処方されることが多いです)

発達障害のお子様のことに触れた内容を覚えていてくださっているでしょうか。

そのお子様は病院という子どもにとってストレスの多い場所や、たくさんの人がいてじっと立っていないといけない状態に置かれると耳をおさえて真っ青になってしゃがみこんだ、と書かれていました。

それまでは単に「発達障害だから聴覚過敏なのだ」という見方をしていたそうです。
しかし、そうではない。ストレスにさらされたときに、聴覚過敏が出現していたのだそうです。

これはそのお子様だけの特殊な状況なのかもしれませんが、予防法を考える上ではとても重要なヒントを与えてくれているように思います。

ストレスによって自律神経が乱れに乱れ、交感神経が慢性的に昂ぶっているとさまざまな症状が表面化してくることがあります。よくあるのが肩こりや首こり、頭痛といったもの。胃が痛い、下痢になる便秘になるといった内科的なもの。癌やうつを引き起こす要因ではないか、ということも言われています。

そこで思いだしてほしいのが、ストレスが原因とされる「過敏性腸症候群」です。

下痢と便秘が繰り返し襲ってくる、トイレがない電車は不安で乗れなくなるなどたかが下痢ではすまされない状況に陥ります。

これもストレスから引き起こされると言われていることと、「腸が知覚過敏」になり症状がより強化されるということは聴覚過敏の予防を考える上では注目に値します。

聴覚過敏も含め、なんらかの過敏傾向にある方たちは言いたいことをぐっと我慢するようないい人に起こりやすいような気がしています。感情を抑え込むことで、逆に身体が鋭敏になってなんらかの表現(発症)をしてくることもあるのではないでしょうか。

まず、ストレスの棚卸しをしてみるのはいかがでしょうか。
自分にはストレスがかかっているんだなあ、と気づくだけでも前進だと思います。

自分は辛かったんだなあと言葉に出してあげることも良いでしょう。
リラックスすることがいちばんの薬になるかとは思いますが、今すぐはムリかも知れません。
その前段階として、リラックスできていないことに気づいてあげる。

今までストレスに耐えてきたことに気づいてあげる。それを身体ではなく、言葉で表現してあげる。そこから一歩を踏み出すことが遠回りに見えて根本的な予防法になり治療法になるのではないでしょうか。


5. 子どもの聴覚過敏

聴覚過敏は大人だけでなく、子供のころから発現することもあります。
よく言われるのは発達障害をもつ子供のなかには聴覚過敏をもっている子が存在するというもの。

発達障害だから聴覚過敏があるというよりも、感覚が敏感な子供が多いという理解が現実に即したものかと思います。

なかには皮膚感覚が過敏で服のタグが肌にあたるのがとても嫌だというケースもあります。

また嗅覚が過敏になる子供もいます。
学内の音が騒がしくて学校に行くのが苦痛になる児童もいます。

聴覚過敏であることに周りが気づいていないと「そのくらい我慢しなさい!」「そのうち慣れるから行きなさい」と強制してしまい、ますます症状が強くなることもあります。

また聴覚過敏だと思っていたら本当に耳の病気だった、ということもありますのでまず子供がどういう時に音を嫌がるのか、冷静になって見極めることも大事です。


6. まとめ

聴覚過敏においては、音はまさに凶器と感じられる人も多いものです。

そのわりには知名度は耳鳴りに比べてあまりにも低く、周りにわかってもらえないこともあると思います。

音のせいで立っていられないほどの苦痛に襲われる、などは聴覚過敏のことを知らない人からすれば信じられない部分もあるかと思います。

お子様が聴覚過敏のために、学校に行けなくなった親御さまの気持ちも理解できます。

そのため今すぐなんとかしたい!と焦る気持ちもよくわかります。

しかし、そうなったからには、それなりの歴史があるものです。

どんな病気にもそこに至る積み重ねがあっての今と言えます。

だからこそ今、立ち止まることができれば未来への先送りはなくなるのです。いづれ、原因も底をついて症状も終わりを迎えることと思います。

まずは、緊張していることに気づいてあげましょう。

自分で緊張がとれない場合は整体も活用してください。緊張がゆるんだ状態を知ってください。

ゆるんだ分だけ、将来に現れる聴覚過敏は減ってくるでしょう。


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